患者さんの体験記

信頼できる情報を得て、不安を安心に変える

Eさん(50代、男性、診断から6年)

患者さん体験記

本症例は真性多血症患者さんの1つの事例であり、すべての真性多血症患者さんが同様の経過をたどるわけではありません。疾患の進行状態によって、症状などは個々の患者さんで異なります。

診断されるまで

真性多血症と診断されるまでの経緯をお聞かせください。

健康診断での指摘をきっかけに、検査を経て診断されました。自覚症状はほとんどありませんでした。

毎年受けている消化器系の健康診断がきっかけでした。50代初めに受診した際、目が非常に充血していたため、追加で血液検査をしてもらったのです。その結果、ヘマトクリット値が高いことがわかり、「血液の病気の可能性がある」として、大学病院の血液内科を受診することになりました。骨髄検査を経て確定診断が出るまでには2~3ヵ月ほどかかりましたが、事前に医師から「真性多血症かもしれない」と説明を受けていたため、自分でもインターネットなどで病気について必死に調べましたね。
最初に「真性多血症」と聞いた時は驚きました。それまで健康に問題はないと思っていましたし、自覚症状といえば目の充血と飲酒時に目がチカチカする程度で、日常生活に支障はなかったのです。確定診断を受けた時も、「本当にそんな深刻な病気なのだろうか?」と実感がわかなかったというのが正直なところでした。

診断された時はどのようなお気持ちでしたか?

すぐに命に関わるような病気ではないことに安心しましたが、将来への漠然とした不安はありました。

情報収集を進めていくと、真性多血症は他の重篤な血液疾患と比べて、すぐに命に関わるような病気ではないことがわかり、ひとまず安心しました。ただ、漠然とした不安は残っていたんです。白血病や骨髄線維症へ移行する可能性があるという情報も目にして、「今後どうなってしまうのか」と不安が募っていきました。
その後、患者会のホームページにたどり着き、疾患に関する詳しい情報や海外の論文などを確認するようになりました。その中で、病状をコントロールできれば5年、10年と通常の生活を送れる可能性があることや、治療法が日々進歩していることを知りました。そうした情報に触れる中で、「それなら何とかなるかもしれない」と思えるようになり、気持ちが徐々に落ち着いていきました。

最初の治療と経過について

診断後は、どのような治療をされましたか?

診断後すぐ瀉血と抗血栓療法を開始しました。

診断時にヘマトクリット値が高かったため、すぐに瀉血治療が始まりました。年齢的に「若年」に分類されたこともあり、まずは抗がん剤を使用せず、瀉血と抗血栓療法のみを2年間続けました。瀉血は、治療を始めたころは毎月行っていたのですが、その後は血液検査の結果を見ながら少しずつ2~3ヵ月ごとへと間隔が延びていきました。

治療開始後は、どのようなお気持ちでしたか?

骨髄線維症への移行リスクが心配で、「JAK2アレルバーデン値を早く下げたい」と考えていました。

瀉血と抗血栓療法を行っている間もずっと気がかりだったのが、「JAK2アレルバーデン値」が高いことでした。患者会などの情報で、この数値が高いと骨髄線維症への移行リスクが高いと耳にしていたため、「できるだけ早くJAK2アレルバーデン値を下げたい」と、焦りにも似た思いがありました。
そこで、細胞減少療法についても自分なりに一生懸命情報を集めました。論文で客観的なデータを確認しつつ、副作用や実際の生活への影響については患者会で共有される皆さんの体験談がとても参考になりました。実際に治療をしている方の「生の声」や日々の様子を知ることで、データだけではわからない部分も理解を深めることができ、自分自身が心から納得したうえで次の治療を選択できると思えたのです。
こうした経緯や主治医との相談を経て、現在は次の治療に取り組んでいます。

治療変更と主治医とのコミュニケーションについて

治療を変更するにあたり、主治医にはどのように相談していましたか?

主治医の方針を尊重しながら、自分の希望を少しずつ伝え、最終的に治療変更に至りました。

診察の際、私から他の治療法の話題を出すこともありますが、基本的には主治医の方針を尊重しています。専門家である医師に患者が強く意見することは、負担をかけたり信頼関係に影響したりするのではないかと感じているからです。細胞減少療法を始めたいと思った時も、少しずつ希望を伝えていました。
転機となったのは、私が希望する治療について、主治医が文献や海外の情報をもとに検討を重ねてくださったことでした。最終的に医師の方から治療変更を提案してくださった時には、こちらの希望がしっかりと届いたことを実感しました。患者の声に耳を傾け、柔軟に治療方針を見直してくださる姿勢が、主治医への安心感につながっていると思います。
現在は病気による制限を感じることなく、これまでどおり忙しく仕事に打ち込める毎日を送っています。

真性多血症の患者さんに伝えたいメッセージ
患者さん

正しい情報を得ることが大切です。私自身、患者会なども積極的に活用して確かな情報に触れることで、漠然とした「不安」が少しずつ「安心」に変わっていきました。

信頼できる情報をもとに、ご自身が納得して「これが正しい」と思える治療を選択してほしいと思います。

診断された時は不安な気持ちになると思いますが、すぐに命に関わるような病気ではありません。過度に恐れず、前向きな気持ちで過ごしてください。

真性多血症と上手につきあうために