患者さんの体験記

病気に振り回されず、自分の生活を大切に生きていく

Dさん(60代、女性、診断から10年)

患者さん体験記

本症例は真性多血症患者さんの1つの事例であり、すべての真性多血症患者さんが同様の経過をたどるわけではありません。疾患の進行状態によって、症状などは個々の患者さんで異なります。

診断されるまで

真性多血症と診断されるまでの経緯をお聞かせください。

30代で血栓の治療を始めてから10年後、血液内科で検査を受けて診断されました。

30代で下大静脈に血栓ができ、地元の総合病院の消化器外科で肝臓系の血液疾患と診断されました。処置や経過観察を繰り返しながら約10年間通院していましたが、血液の数値が高くなったことをきっかけに、同じ病院の血液内科を紹介され、骨髄検査の結果、真性多血症と診断されました。
「血液のがん」と聞いたときは驚きましたが、それ以上にほっとしましたね。「これで原因に対してアクションがかけられる。絶対に治そう!」と前向きに受け止めました。真性多血症の診断を受けるまでの約10年間、血栓に対しては経過観察が中心で根本的な治療をしている実感がなかったうえ、体への負担の大きい処置を受ける必要がありました。大量出血を起こして、死を感じるような苛酷な経験もしました。慢性的なだるさや頭痛に加え、「また血栓ができるのではないか」という不安を抱えながら長年過ごしてきたので、診断を受けて「ようやく治療に向かっていける」と感じたのです。

病気に関する情報収集について

病気や他の患者さんの様子などを調べたことはありましたか?

診断後にインターネットで検索。情報にとらわれすぎず、自分の生活を大切にしています。

診断後、同病の患者さん達のブログを検索して読んでみると、同じ病気でも症状や感じ方が本当に人それぞれだと気づきました。夕方には辛くて寝込んでしまう人もいれば、そうでない人もいます。それなら過度に情報を追うのはやめ、自分の生活を大切にしようと考えるようになりました。
真性多血症の余命に関する情報も目にしましたが、私自身はあまり気にしませんでした。振り返れば、20代で血が濃いと言われたこともありましたし、30代で血栓ができたため、「程度の差はあれ、自分はずっと前から真性多血症だったのかもしれない」と思ったのです。もしそうなら、診断時点ですでに20年近く経っていることになります。一般的な余命のデータは自分の場合は当てはまらないと思えたため、不安に振り回されることはありませんでした。

これまで受けた治療について

診断からこれまで、どのような治療をされてきましたか?

瀉血と抗血栓療法を続け、診断3~4年後から抗がん剤の服用を開始しました。

診断後すぐに瀉血と抗血栓療法を開始しました。医師からは抗がん剤も勧められたのですが、当時は「自分はまだ若い」という気持ちがあり、抗がん剤全般に対する不安もあったため、すぐには決断できずにいました。インターネットで調べて患者会に入会したのもこの頃です。
その後、病状が落ち着いてきたタイミングで、患者会を通じて知った専門医のセカンドオピニオンを受診しました。そこで治療の選択肢について詳しく教わり、「服用したら自分の血液の数値はどうなるのかな」という興味もあり、診断から3~4年経った頃に抗がん剤の服用を開始しました。半年ほど継続した後に治療を変更し、今に至ります。

治療を変えたいと思った理由は何でしょう?

作用機序に納得できる治療を受けたい。その思いが強くなったからです。

セカンドオピニオンで詳しくお話を伺い、真性多血症のお薬にはそれぞれ異なる作用機序(薬がはたらくしくみ)があることを理解しました。その中で、より納得できる作用機序の治療法があることに気づいたのです。同じ頃、患者会でも治療に関する情報をいくつか教えていただき、「この治療に挑戦してみたい」という気持ちがさらに強くなっていきました。最終的には、自分から主治医に相談し、治療変更を決断しました。

治療の継続と現在の生活

現在の生活や通院状況について教えてください。

仕事や趣味のバレエも続けながら、元気に過ごしています。

3ヵ月おきに通院を続けています。主治医や医療スタッフの皆さんは、私の不安や疑問に対して丁寧に調べて答えてくださる心強い存在です。そのため、気になることがあれば遠慮せず、何でも相談するようにしています。
現在、病気による日常生活の制限は感じていません。仕事のほか、趣味のクラシックバレエも10年以上続けており、適度に体を動かすことも楽しんでいます。夫は医療費を少し気にしているようですが、私が毎日元気に過ごしているためか、病気そのものについてはあまり心配していないように感じます。私自身も寝込むことはなく、これからも前向きに治療に取り組んでいきたいと思っています。

真性多血症の患者さんに伝えたいメッセージ
患者さん

血栓ができると本当に大変な思いをします。血液をさらさらに保つために、日頃から水分をしっかりとることをお勧めします。

同じ病気でも、一人ひとり症状や感じ方は異なります。病気に関する周囲の情報にとらわれすぎずに、自分の生活を大切にしながら過ごすことも重要だと思います。

病気に振り回されるのではなく、自分が前に立って「病気を自分の後ろに連れて歩く」ようなイメージで、ご自身の人生を前向きに過ごしてほしいと思います。

真性多血症と上手につきあうために