患者さんの体験記

悲観するのではなく、治るような形に進んでいきたい

Bさん(70代、男性、診断から7年)

患者さん体験記

本症例は真性多血症患者さんの1つの事例であり、すべての真性多血症患者さんが同様の経過をたどるわけではありません。疾患の進行状態によって、症状などは個々の患者さんで異なります。

診断されるまで

真性多血症と診断されるまでの経緯をお聞かせください。

献血で「血が濃い」と指摘されたことをきっかけに受診し、検査を経て診断されました。

長年、年2回の献血を続けていましたが、60代で受けた献血で「血が濃くて採れない。血液内科を受診してください」と指摘されました。その後、かかりつけ医を経て総合病院の血液内科で検査を受けた結果、「真性多血症」という病名を告げられました。聞いたこともない病名で、当初は「それ、なんですか?」という状態でした。主治医からは「これは血液のがんです」との説明を受けました。「放っておいたらどうなりますか」と質問すると、「血栓ができて心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性があります」との回答でした。さらに、趣味のフルマラソンも控えるよう言われてしまいました。
診断を受けるまでは大きな病気にかかったこともなく、自分では「健康優良児」ならぬ「健康老人」だと思っていましたし、頭痛やだるさといった自覚症状もありませんでした。そのため、診断を受けたときはショックというよりも「なんで自分がこの病気に?」という思いの方が強かったですね。

これまで受けた治療について

診断からこれまで、どのような治療をされてきましたか?

診断後すぐに瀉血と細胞減少療法を開始。その後、自分から主治医に相談して治療を変更しました。

診断当初からヘマトクリット値が高く、すぐに瀉血と細胞減少療法を開始しました。その後、入会した患者会で他の治療薬の情報に触れ、「自分も使ってみたい」と考えるようになり、自分から治療の変更を主治医に相談しました。

治療を変えたいと思った理由は何でしょう?

病気の進行が不安で、「検査値をしっかり基準値内に収めたい」と考えたからです。

患者会で情報収集を続けるうちに、真性多血症が骨髄線維症や白血病へ移行する可能性があることを知り、「将来もっと深刻な病気になるのではないか」と不安を感じました。同時に、同じ病気の患者さんの経過や検査値の変化を知る中で、「自分の血液の数値をしっかり基準値内に収めたい」という気持ちが強くなりました。
費用は「高いな」と思いましたが、少々高くても挑戦する価値はあると考え、治療の変更を決意しました。治療について、妻は「早く良くなればいいよね」と理解してくれ、私の決断を応援してくれています。

主治医とのコミュニケーションや情報収集について

主治医との対話で心がけてきたことはありますか?

治療に対する自分の希望を積極的に伝えるようにしています。

真性多血症の診断翌年に別の血液疾患にも罹患したんです。それもあって主治医とは親しくなりましたね。自分の状態やどんな治療を希望するか、主治医とは率直に話せる信頼関係を築くことができていると思います。

診断当時からどのように情報を集め、病気と向き合ってこられたのでしょうか?

インターネットや患者会を活用。自分で検索して調べることができる今の時代でよかったと感じています。

診断時、主治医からは「JAK2が悪さをしています」と説明を受けましたが、自分でも病気への理解を深めたいと思い、真性多血症の患者数や血液の作られる仕組みなどをインターネットで調べました。その中で、自分と同じ病気の方が集まる患者会の存在を知り、入会しました。診断当初は何も分からない状態でしたが、自分で検索できる環境があり、この時代でよかったと感じています。病気と向き合う中でも、情報を得ることで前向きに治療に取り組むことができています。

現在の気持ち

現在の生活やお気持ちについて教えてください。

日常生活はこれまでと大きく変わりませんが、前向きな気持ちを持つよう心がけています。

病気の影響でフルマラソンは控えるようになりましたが、軽い運動やゴルフを楽しみながら、無理のない範囲で体を動かしています。パートの仕事も続けており、仕事をすること自体が自分にとっての生きがいになっています。
一方で、「この先あと何年生きられるのだろうか」と、将来のことを考えて不安がよぎることもあります。それでも、できるだけこれまでと同じように、前向きに希望を持って歩んでいきたいと考えています。毎朝「今日も生かされている」と感じながら、一日一日を大切に過ごし、日々の生活の中に楽しみや充実感を見いだすことを心がけています。

真性多血症の患者さんに伝えたいメッセージ
患者さん

病気になっても、趣味や日々の楽しみを見つけながら、これまでと変わらない生活を送っています。

医学は日々進歩しており、かつては治らないとされていた病気でも、将来的には治療の選択肢が広がっていくと信じています。

「治らない病気」と言われても悲観するのではなく、「完治できないとしても治るような形に進んでいきたい」という前向きな気持ちと希望を持って過ごすことが大切だと思います。

真性多血症と上手につきあうために