監修 山梨大学 医学部 血液・腫瘍内科 教授
桐戸 敬太 先生

主治医の先生に伝えることを
受診日までに準備しましょう

受診までに準備しておくとよいものはなんでしょうか?

ドクター

先生に確認したいことは、メモにまとめておきましょう。
具体的には

  • ①ご自身で気づいた症状
  • ②日常生活への影響
  • ③現在の治療に対するお気持ち
  • ④治療の目標にしたいこと
などをまとめておくと、受診の際に役に立ちます。

先生に確認したいことを「受診準備シート」を使ってまとめてみましょう。

  • pdf
  • 受診準備シート
    (PDF 501KB)

    「受診準備シート」を使われる際は、ご自宅のプリンターやコンビニエンスストアの印刷サービスなどをご利用ください。
    利用される機器によって発色などの写りに差が出ることがあります。

なぜ、事前にメモにまとめる必要が
あるのですか?

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症状や質問をメモしておくと、受診時に伝え漏れをなくすことができるためです。実は、医師と患者さんの間には、治療に対する認識にズレが生じることがあります。患者さんのことをきちんと伝えることで、認識のズレを減らしていきましょう。

次の内容を参考にメモを
作成していきましょう。

①ご自身で気づいた症状について

医師と患者さんの調査結果から、真性多血症の患者さんと医師の間では解決したいと考えている症状に違いがあることが分かりました。ここで重要なのは、それぞれで気にしている症状の種類に違いがあるということです。
真性多血症では色々な症状があらわれます。ご自身で気になることはメモに残し、がまんせずに主治医の先生にお話してみてください。
真性多血症の症状についてはこちらをご確認ください。

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調査対象・期間 20歳以上の真性多血症患者(265人)と真性多血症を診察している医師(151人)を対象に2022年3月~7月にかけ実施。
調査方法 日本国内112施設で募集を行い、医師と医師の紹介を受けた患者から書面での参加同意を確認の上調査への回答を得た。調査票は大きく4つの要素(日常生活、真性多血症の症状、治療目標、医師と患者のコミュニケーション)で構成され、質問数は患者用が34問、医師用が29問。

Edahiro Y, et al. Hematology. 2023 ;28(1):2227817.より改変

②日常生活への影響について

真性多血症の患者さんの中には、仕事などの日常生活への影響を感じている方がいらっしゃいます。
患者さんへの調査では、日常生活の中で「影響大」または「影響あり」と回答した割合は約20%でしたが、患者さんの年齢や影響を及ぼす内容によって違いが認められました。

年齢別では、60歳以上よりも、60歳未満の患者さんで日常生活への影響がより大きいと感じているようです。
60歳未満の方では特に仕事への影響が最も大きく、具体的には、「勤務時間の短縮」「職場の変更」「転職」などの環境の変化や変更を必要としたケースも見られました。
もしご自身が日常生活で感じていることがあれば、ささいなことであってもメモに残し、一人で抱え込まずに主治医の先生に相談してみましょう。

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調査対象・期間 20歳以上の真性多血症患者(265人)と真性多血症を診察している医師(151人)を対象に2022年3月~7月にかけ実施。
調査方法 日本国内112施設で募集を行い、医師と医師の紹介を受けた患者から書面での参加同意を確認の上調査への回答を得た。調査票は大きく4つの要素(日常生活、真性多血症の症状、治療目標、医師と患者のコミュニケーション)で構成され、質問数は患者用が34問、医師用が29問。

Edahiro Y, et al. Hematology. 2023 ;28(1):2227817.より改変

③現在の治療に対するお気持ちについて

治療を続ける中で、真性多血症の患者さんは治療にともなう様々な出来事を経験します。その過程で、ご自身が受けている治療方法に対して満足する時もあれば、そうではない時もでてくる場合があります。
主治医の先生は、それぞれの治療方法には良い点と悪い点があることを理解していますので、ご自身が感じたことや要望をメモに残し、遠慮せずに伝えてみましょう。

また、新しい治療方法も開発されることがありますので、気になることがあれば主治医の先生に質問してみましょう。

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*瀉血(しゃけつ)療法:静脈から血液を抜き取り赤血球の数を減らすことで血栓をできにくくする治療法です

調査対象・期間 20歳以上の真性多血症患者(265人)と真性多血症を診察している医師(151人)を対象に2022年3月~7月にかけ実施。
調査方法 日本国内112施設で募集を行い、医師と医師の紹介を受けた患者から書面での参加同意を確認の上調査への回答を得た。調査票は大きく4つの要素(日常生活、真性多血症の症状、治療目標、医師と患者のコミュニケーション)で構成され、質問数は患者用が34問、医師用が29問。

Edahiro Y, et al. Hematology. 2023 ;28(1):2227817.より改変

④治療の目標にしたいことについて

主治医の先生が患者さんに教えていただきたいことの一つに、患者さんご自身が考える治療目標があります。

治療の目標を患者さんと主治医の先生の間で共有し合意することで、より良い治療の選択が可能です。
ぜひ、患者さんの治療に対する希望や期待を主治医の先生に伝えてみましょう。受診の前にメモに書いてまとめておくと、スムーズにお話しできるでしょう。

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調査対象・期間 20歳以上の真性多血症患者(265人)と真性多血症を診察している医師(151人)を対象に2022年3月~7月にかけ実施。
調査方法 日本国内112施設で募集を行い、医師と医師の紹介を受けた患者から書面での参加同意を確認の上調査への回答を得た。調査票は大きく4つの要素(日常生活、真性多血症の症状、治療目標、医師と患者のコミュニケーション)で構成され、質問数は患者用が34問、医師用が29問。

Edahiro Y, et al. Hematology. 2023 ;28(1):2227817.より改変

* 骨髄線維症や急性骨髄性白血病への進行・進展

治療目標について詳細はこちら

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続けていくために