ひとくちコラム真性多血症の治療目標
真性多血症の主な治療目標は、血栓症を予防することと、さまざまな症状を改善することです。
さらに近年は、急性白血病や骨髄線維症への進行を防ぐための研究も行われています。
真性多血症の患者さんでは、95%以上に「JAK2」という遺伝子の変異がみられます。このJAK2遺伝子の変異によって、細胞の中で血液細胞を増やす命令が発信され続けてしまうことがわかっています。JAK2遺伝子全体の中で、変異した遺伝子がどのくらいあるかの割合を示したものを「JAK2アレルバーデン値」といいますが、このアレルバーデン値が高いと血栓症、出血などの合併症の発症頻度や骨髄線維症、白血病への移行頻度が高いという研究結果があります。
このようにJAK2アレルバーデン値は、合併症の発症頻度や骨髄線維症、白血病への移行頻度と関係していることから、患者さんにとって重要な治療目標を達成するためのキーポイントになり得ると考えられます。
海外のアンケート調査において、医師が考える最も重要な治療目標は「血栓症を予防すること」でした。一方で、真性多血症の患者さんが最も重要と回答した治療目標は「急性白血病や骨髄線維症への進行を抑制/遅延させること」が最も多く、次いで「血栓症を予防すること」でした。