患者さんの体験記

信頼できる医師とともに治療に取り組む

Cさん(60代、女性、診断から11年)

患者さん体験記

本症例は真性多血症患者さんの1つの事例であり、すべての真性多血症患者さんが同様の経過をたどるわけではありません。疾患の進行状態によって、症状などは個々の患者さんで異なります。

診断されるまで

どのような症状で受診する決心をしたのですか?

ひどい頭痛がきっかけです。それ以前から不調は続いていました。

受診のきっかけは、これまでに経験のない頭痛です。こめかみが痛くて、外出先でしゃがみ込みたくなるほどでした。その2~3ヵ月前から血圧も高くなっていました。50代で非常に仕事が忙しく、孫も生まれたばかりで嬉しいのに体調が悪いんです。手も足も血管がパンパンになって全体的に赤く、血管の痛みで立っていられなくなり、母に勧められて地元の比較的大きな病院に行きました。

受診してから真性多血症と診断されるまでの経緯をお聞かせください。

地元の病院から紹介されたがんセンターで「真性多血症」と診断されました。

頭部MRIでは異常はなかったのですが、血圧が高かったため日を改めて内科の検査も行いました。そこで「血液の数値がこんなに高いのはおかしいから、がんセンターへ行ってください」と、先生がその場で電話してくださって、翌日にがんセンターを受診することになりました。「がんセンターに行く必要があるような病気」だということがショックで涙があふれてしまいました。
がんセンターではJAK2遺伝子検査や骨髄検査をして、3週間後にその結果を聞きに再度受診しました。夫が付き添ってくれたのですが、待ち時間にスマホで病気を調べ、診察室から出てきた私に「真性多血症かもしれない。そうしたらがんだよ」って言うんです。改めてショックを受けました。でも、先生から「真性多血症」の診断を受けたときに、すぐに入院が必要な差し迫った状態ではないことがわかったので、「負けたらいけない。強くならなきゃ」と自分を奮い立たせました。

病気に関する情報収集について

病気に関する情報はどのように集めましたか?

ブログで同病の患者さんとつながり、「患者会」を紹介していただきとても役に立ちました。

診断直後はちょうど忙しい時期で体調も悪かったので、インターネットで真性多血症について検索しはじめたのは1年後くらいからです。ブログで出会った同病の患者さんに、症状や治療法について詳しく教えていただき、セカンドオピニオンも勧められました。患者会もその方に教えていただいて入りました。
真性多血症の専門医は限られるようで、患者会では専門医のお話が聞ける勉強会を定期的に開いていただけるのがとてもありがたいです。私も2~3回参加したことがあります。コロナの時にはオンラインで開催してくださいました。また、困ったときに患者会の会長さんにお話ししたら専門医に聞いてくださり、本当に助かりました。患者会は、私には必須の存在です。

医療費に関して利用できる制度はありますか?

高額療養費制度を利用。真性多血症はがん保険も請求できます。

高額療養費制度を使っています。入っていた『がん保険』も活用できました。「赤血球増加症」ではなく「真性多血症」で申請すると、「がん」として扱われ保険がおりました。保険について知ることができたのも患者会のおかげです。

セカンドオピニオンについて

セカンドオピニオンも活用しているそうですね。

半年に一度、受診しています。

がんセンターの主治医は偶然にも夫の同級生で話しやすい先生ですが、真性多血症はとても珍しい病気のため専門医にもお話を聞きたいと思い、診断2年後から東京のセカンドオピニオンを受診しています。はじめてセカンドオピニオンにかかるときには、がんセンターの主治医に診断書を書いていただきました。今は、がんセンターを毎月、セカンドオピニオンを半年に1度受診しています。先生同士の関係は良好で、がんセンター受診の際には、「セカンドオピニオンの先生は何て言ってる?」と尋ねられます。

セカンドオピニオンではどのような情報を入手されましたか?

最新の治療法や検査値など、専門医ならではの情報が得られます。

セカンドオピニオンではJAK2遺伝子変異の重要性、骨髄線維症への進行の可能性などを詳しく教えていただきました。短い診察時間内で十分にコミュニケーションをとるために、いつもメモを持って受診しています。先生は、海外の最新の治療など、他では聞けない情報も教えてくださいます。不安になるような言い方は絶対にしません。いつも安心させていただける、私にとって「心のお薬」です。

治療の経過について

これまでにどのような治療を受けましたか?

7年間は抗血栓療法と瀉血だけでした。

幸い、血栓症低リスクだったので、診断当初は抗血栓療法と瀉血だけで様子を見ました。はじめのうちは血液がドロドロで少し歩いただけで息苦しくなるほどで、1週間に2~3回瀉血していました。現在は、1年に2回くらいで済むようになりました。

細胞減少療法を始めた理由をお聞かせください。

アレルバーデン値が上がってきたのがきっかけです。

真性多血症と診断されて5年ほど経った頃から、アレルバーデン値が徐々に高くなり、「このままでは骨髄線維症に移行してしまうのではないか。自分で血液を作れなくなってしまうのではないか」と、だんだん不安になってきたのです。細胞減少療法を行っている患者さんのお話を聞いて、「この治療法が自分には合っているのではないか」と考えるようになり、診断から7年後にスタートしました。
今後どのような治療をするべきか、年を取っても東京まで通院できるかなど、不安や悩みはありますが、今は日々の家事や孫の柔道の応援、遠方への旅行など、忙しくとても充実した生活を送っています。

真性多血症の患者さんに伝えたいメッセージ
患者さん

この病気は、放置すると長い時間をかけて骨髄線維症など他の病気に進行する場合があるので、甘く見ないことが大切です。おかしいなと思ったら迷わず受診しましょう。

信頼のおける医師と共に治療に取り組むことが希望につながります。最新の情報を得るためには、専門医にかかることも選択肢の1つです。

珍しい病気で不安に感じることがあるかもしれません。患者会や患者向け小冊子などで正しい情報を得ることが安心につながります。

真性多血症と上手につきあうために