本態性血小板血症は、血液検査、骨髄検査、遺伝子検査の結果から診断されます。また、病気の状態や治療の効果を確認するため、診断後も必要に応じて各種の検査を行います。

血液細胞(血小板、白血球、赤血球)の数を確認します。本態性血小板血症の患者さんでは、正常の値に比べて血小板が増加しているのが特徴です。また、白血球の増加がみられることもあります。

骨髄液や骨髄組織を採取して、骨髄の血液細胞の数・形や、がん細胞があるかどうか、骨髄に線維化がないかなどを調べます。診断時や、急性白血病、骨髄線維症への移行を確認するために行われることがあります。

本態性血小板血症の患者さんの約90%に「JAK2」「CALR」「MPL」のいずれかの遺伝子の変異がみられるため、採取した血液を用いて、これらの遺伝子変異があるかどうか、また変異の割合などを調べる場合もあります。
JAK2、CALR、MPLは、いずれも骨髄で造血幹細胞から血液細胞が造られる際に重要なはたらきをする遺伝子です。これらの遺伝子のいずれかに変異がある場合、血液細胞を増やす命令が発信され続け、その結果、血小板や白血球、赤血球が異常に増えてしまいます。
本態性血小板血症の患者さんの約90%にこれら3つのうちいずれかの遺伝子変異がみられます。また、どの遺伝子変異も持たない患者さんもいます。
3)落合友則ほか. 血栓止血誌. 2021; 32(4): 370-375.
4)小林禅ほか. 日本農村医学会雑誌. 2018; 67(1): 1-7.
5)Hashimoto Y, et al. Int J Hematol. 2022; 115(2): 208-221.
6)Loscocco GG, et al. Blood Cancer J. 2024; 14(1): 10.
JAK2、CALR、MPL遺伝子全体の中で、変異した遺伝子がどのくらいあるかの割合を示したものが「アレルバーデン値」です。
現在、アレルバーデン値の測定は診断時に1回(保険適用)、あるいは、一部の施設で研究検査として行われています。
本態性血小板血症では血栓症や出血が起こりやすく、また、長い経過の中で骨髄線維症や白血病へと進行することがあります。
一例として、JAK2アレルバーデン値が高いと血栓症、出血などの合併症の発症頻度や骨髄線維症、白血病への移行頻度が高いという研究結果があります。
日本も参加した国際的な調査では、本態性血小板血症の患者さんが最も重視する治療目標は「病状の進行を遅らせること」で、次に「血栓症の予防」でした。アレルバーデン値は、血栓症や出血などの合併症の発症頻度や骨髄線維症、白血病への移行リスクと関係していることから、患者さんにとって重要な治療目標を達成するためのキーポイントになり得ると考えられます。
本態性血小板血症の治療目標は血栓症の予防が中心ですが、治療法の進歩により、病気そのものを良くしていく可能性も出てきました。主治医の先生とよく相談し、ご自身に合った治療を選んでいただければと思います。

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